現在、千葉県内には約100店舗の家系ラーメン店が存在します。現在では神奈川県に匹敵するほどの家系ラーメンの激戦区となっています。
神奈川県で家系ラーメン店が多い地域
神奈川県で特に家系ラーメンが多いのは、横浜市です。特に、家系ラーメンの総本山とされる「吉村家」が横浜市新杉田で創業したことから、家系ラーメンが広まったため横浜市内に家系ラーメン店が多数存在します。また川崎市も家系ラーメンの影響を受けた多様なスタイルの店舗が集まっています。その他、神奈川県内には家系ラーメンの直系店も人気があります。
横浜市-家系ラーメンの発祥地
横浜市は家系ラーメンの発祥地であり、特に以下のエリアに多くの店舗が集中しています。
西区(横浜駅周辺)
家系総本山「吉村家」が位置し、直系店や関連店舗が多く集まっています。家系ラーメンの原点を感じられるでしょう。
港南区(下永谷・上大岡周辺)
「環2家」などの人気店があり、家系ラーメンの激戦区として知られています。
磯子区(磯子〜杉田周辺)
「壱六家 磯子本店」など、家系ラーメンの名店が点在しています。
川崎市-多様な家系ラーメンが楽しめるエリア
川崎市も家系ラーメンの店舗が多く横浜市に次いで家系ラーメンの多い地域といえます。
神奈川県で家系ラーメンが多い理由
神奈川県で家系ラーメン店が多い理由は、主に以下の歴史的・地理的・文化的な背景にあります。
家系ラーメンの発祥地が神奈川県横浜市
最も大きな理由は、家系ラーメンの発祥地が神奈川県横浜市であることです。1974年、横浜市磯子区に「吉村家」が開店し、これが家系ラーメンの元祖となりました。豚骨醤油ベースのスープに太いストレート麺、ほうれん草・海苔・チャーシューという具材が特徴のこのスタイルが、多くの人に支持され広がっていきました。
独立・暖簾分け文化の強さ
吉村家では、修行した弟子たちが独立して「〜家」という屋号で開業することが一般的でした。この「暖簾分け」の文化が、横浜市を中心に広がり、家系の「直系」「亜流」「インスパイア」店が増加したという背景があります。独立した弟子からさらにその弟子といったように、いわゆる家系ラーメンの家系図が県内に広がった形です。
神奈川・東京の交通の便と需要のたかさ
横浜や川崎などは、東京に近く人の流れも多いため、集客が見込めるエリアです。通勤・通学者が多く、家系ラーメンのようなガッツリ系で中毒性の高い味は、サラリーマンや学生に特に好まれました。
地元に愛される「食文化」としての発展
家系ラーメンは神奈川県では「ご当地グルメ」として認識されており、地元の人々にとって身近な味となっています。それにより、新しい店舗が出ても受け入れられやすいうえに家系ラーメンが定着しやすいといった基礎ができあがっています。
神奈川県の家系ラーメンの特徴
神奈川県の家系ラーメンでは、他の県でみられるようなインスパイア系や派生スタイルとは異なる、本家本元としての「伝統的な特徴」があります。
スープ:豚骨+鶏ガラ+醤油の濃厚Wスープ
豚骨・鶏ガラを炊き出した出汁に、醤油ダレを合わせたスープが基本です。スープは白濁しており、濃厚でコクがありながらもキレのある味が一般的です。
鶏油(チーユ)を浮かせることで、香りとコクをプラスします。豚骨のみの博多系と違い、「鶏ガラ+豚骨」でまろやかさがあるのが神奈川家系の特徴です。
麺:中太〜太めのストレート麺
家系御用達といえば、酒井製麺の短め・中太ストレート麺といったように有名な製麺店の麺を使用しています。ややもっちりとして、スープにしっかり絡む食感が特徴です。他県の店では似た麺を使っていても、本場は酒井製麺率が高い傾向があります。「麺の硬さ」「味の濃さ」「脂の量」の調整ができるのも特徴です。
トッピング:三点セットが基本
神奈川県の伝統的な家系ラーメンでは、チャーシュー(煮豚 or ロースト風)+ ほうれん草(豚骨醤油と相性抜群)+ 海苔(3枚)が基本です。
最近は煮玉子や白髪ねぎ、などを提供する店舗もありますが、基本の3点セットは守られている店が多くみられます。
神奈川県内の家系ラーメン店
神奈川県内で食べられるおすすめの家系ラーメンを紹介します。
ラーメン 杉田家
杉田家は家系ラーメンで有名な吉村家の直系第1号店です。家系ラーメン発祥の地にて先代から数えて30年以上、本場の味として、豚骨と大量の鶏ガラをベースにしたコク深いスープに特製醤油ダレを混ぜた秘伝の味は、キレがよく重厚、それでいてしつこくない味はクセになること間違いなしです。先代の味を守り続け、基本に忠実に再現しており、この基本がある上で、さらにお好みの調味料を加えてアレンジするとより好みの味となります。
所在地 | 〒235-0032 神奈川県横浜市磯子区新杉田町3-5 |
営業時間 | 5:00~23:00(ラストオーダー 21:30) |
定休日 | 日曜日 |
連絡先 | 045-776-2155 |
Web/SNS | https://sugitaya.com/ |
※情報は最新でない場合があります。
ラーメン壱六家 磯子本店
創業以来豚骨100%にこだわり、上質な豚骨を長時間煮込み旨味を最大限にひきだしたスープは、濃厚でクリーミーな味が特徴です。トッピングは家系の3点セットにプラスされたうずらのたまごが人気です。麺とスープのからみもよく、トッピングとの相性も抜群です。メニューも醤油豚骨にとどまらず味噌ラーメンなどもあり、さまざまな味を楽しむことができます。近年では「壱系」とよばれる店舗も増えてきています。
所在地 | 〒235-0023 神奈川県横浜市磯子区森2丁目2-7 |
営業時間 | 火・水・木・金・土・日 11:00 ~ 02:00 |
定休日 | 月曜/ 第一日曜日 |
連絡先 | 045-754-2323 |
Web/SNS | http://www.ichirokuya.co.jp/ |
※情報は最新でない場合があります。
ラーメン 環2家
横浜家系総本山 吉村家直系店ならではのパンチの効いた豚骨醤油のこってりスープはこれぞ家系と思わせる味で多くの人をとりこにしています。もっちりとした酒井製麺の麺とよく合います。そしてトッピングのきくらげが人気のポイントです。その他の具材も大きく、食べ応えが十分にあります。卓上調味料には、無臭ニンニクと気の利いたチョイスが女性客にも喜ばれる理由かもしれません。
所在地 | 〒233-0016 神奈川県横浜市港南区下永谷3丁目3-21 |
営業時間 | 11:00 ~ 22:00(ラストオーダー 21:30) |
定休日 | 第3月曜日 |
連絡先 | 045-825-3195 |
Web/SNS | https://kan2ya.com/ |
※情報は最新でない場合があります。
寿々㐂家
豚骨と醤油のバランスが良いスープはあっさりしていながらコクがあり飲み干せるスープと多くの人が高い評価をしています。幅広い世代にファンがいるのもうなずけます。チャーシューは薄いですが大きくほろほろとしており、食べやすく、ホウレン草のちょうどよい茹で加減もラーメンに合います。ライスとの相性がよく満足感を味わうことができます。
所在地 | 〒240-0042 神奈川県横浜市保土ケ谷区上星川2-3-1 1F |
営業時間 | 045-371-6180 |
定休日 | 月・火・木・金 11:00 ~ 21:00 土・日・祝日 11:00 ~ 20:00 |
連絡先 | 045-371-6180 |
Web/SNS | https://x.com/suzukiya224 |
※情報は最新でない場合があります。
川崎家
川崎市川崎区、本牧家系統の中でも昔からの店舗です。クラシックという言葉が合うはっきりとした味のスープは鶏油が多めで、家系にしてはあっさりと感じますが、きりっとした味が麺やトッピングとよく合います。チャーシューは厚くしっとりとして柔らかく食べやすくなっています。女性の人気も根強く、リピーターも多くいる人気のラーメンです。
所在地 | 〒210-0836 神奈川県川崎市川崎区大島上町17-4 ローゼンハイツ |
営業時間 | 11:00 ~ 21:00 |
定休日 | 水曜日 |
連絡先 | 044-355-5202 |
Web/SNS | https://tabelog.com/gunma/A1002/A100203/10021251/ |
※情報は最新でない場合があります。
まとめ
家系ラーメン発祥の地として知られる神奈川県の家系ラーメン店を紹介しました。代々受け継がれたものを伝統として守りながら、家系ラーメンの頂点を走り続ける多くの店舗が存在します。本場の味を体験したいときには、神奈川県まで足をはこんでみるのもいいかもしれません。
執筆:フリーライターAnko.